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衛生料金を上乗せ!? アメリカの美容室での新型コロナ対策とは?


東京都は、新型コロナウイルスへの警戒を呼びかける「東京アラート」を6月11日の夜に解除いたしました。休業要請の緩和についても、12日午前0時に社会経済活動再開のためのロードマップにおける「ステップ3」へ移行し、徐々に経済社会活動を回復させるフェーズに入りました。
 
美容室においては特に4月、5月は緊急事態宣言が発令された影響で大幅に売り上げが落ちる傾向にあり、ほとんどの美容室が窮地の状況であったことに間違いはありません。それでも、緊急事態宣言解除後になると徐々に客足が戻ってきており、ここ数週間のうちに多くのお客様が来店されることも予想されます。元通りとまでは到底いきませんがお客様の来店を制限、マスク着用、マメな手指・美容器具の消毒、検温やフェイスガーゼ着用など各店舗が感染症対策をしっかりと行いながら、少しづつ前進していっています。
 
では、海外の美容室は今どのような状況なのでしょうか。
 
欧州やアメリカなどは日本に比べて新型コロナウイルスの感染者数も多く、美容室経営においても大きなダメージを受けています。日本同様、回復の兆しが見えているのでしょうか。
 
今回は「アメリカ」の事例から、新型コロナウイルスが美容室に及ぼしている影響や現在の状況、行なっている対策などをお伝えします。
 
 

「米国の感染者は200万人を超える」

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、日本時間11日昼、米国の感染者数が200万人を突破した。感染死者数は11万3000人。感染者、死者数ともに世界全体の感染者27%を占め、最大のコロナ大国となっている。

2020年6月11日現在、アメリカは感染者数が200万人を超えており、世界で最も感染者が多い国となっています。最近では白人の警察官が黒人の首を押さえつけて、後に死亡させてしまう事件が発生したことによる人種差別抗議デモが起こり、多くの人が密集してしまうことで、第二波を懸念する動きも起こっています。日本の状況とは大きく違い、アメリカでは現在も甚大なコロナウイルスの脅威にさらされている状況です。

 
 

「ニューヨーク州での経済再開は4つのフェーズに分けられる」

 
東京では感染症防止と経済社会活動の両立を図りながら新しい日常が定着した社会を実現するための取り組みや手順を示すロードマップを設け、「STEP0」〜「STEP3」で徐々に自粛緩和をしていきます。ニューヨーク州では、「第1フェーズ」〜「第4フェーズ」までに分かれており、以下業種ごとにビジネスを再開していく計画となっています。※美容院・理容院は第2フェーズに含まれています。

・第1フェーズ:建設業、農業、林業、釣り、狩猟、小売業(店先または店内での受け渡しに限定)、製造、卸売業
・第2フェーズ:事務所、不動産業、小売業、自動車販売&リース、修理・清掃業、商業用ビル管理業、美容院・理容院、レストラン(屋外席・テイクアウト・配達に限定)
・第3フェーズ:レストラン/フードサービス
・第4フェーズ:芸術/エンターテイメント/レクリエーション、教育

ニューヨーク州では5月15日にニューヨーク市を除く9つの地域で第1フェーズに入り、小売店の営業(店先または店内での受け渡し)などが可能になりました。当時のニューヨーク市は特に被害が大きかったため再開をすることができませんでした。
しかし、6月8日になるとニューヨーク市でもやっと第1フェーズに入り、経済活動を再開することができました。約40万人が職場復帰するとみられ、地下鉄・バスも増便されたようです。しかし、美容室はまだ営業できません。
 
 

「隣のニュージャージ州はフェーズ2へ移行予定。ニューヨーク市は未だフェーズ1。」

 
ニューヨーク州にあるミッド・ハドソン地域では6月8日からフェーズ2に緩和され、ニューヨークと隣り合うニュージャージー州でも6月15日からフェーズ2に移行することが予定されています。レストランや室内での食事はまだできませんが、小売店、屋外ダイニングなどが始まり、美容室もこのフェーズ2から再開することができます。

しかし、ニューヨーク市は未だ第1フェーズで、飲食店の営業は持ち帰りやデリバリーは認められているものの、美容室の営業は完全閉鎖で自粛を余儀なくされており、苦しい状態が続いています。

 

 

「コロナ衛生料金をプラスして請求」

 
美容室の営業が再開可能な地域でもお店の経営は厳しいものとなっています。アメリカでは、一部の店が新型コロナウイルス対策にかかる費用をまかなうために、会計時に別途「衛生料金」として追加料金を請求しているところもあるようです。最近では日本でも、アルコール消毒液が設置されていたり、アクリル板やビニールシートを置くところも増えてきています。当たり前ですがこれらにも材料費、人件費などがかかり、以前よりもお店の経費がたくさんかかるようになりました。その経費を客の支払いに上乗せするということです。
アメリカのあるお店では「衛生料金」として3ドル(約320円)を請求していたそうです。

 
 

「美容室営業の基準」

 
ニュージャージ州と隣り合うデラウェア州では以下を基準を満たすことを条件として美容室の営業が許可されています。

・美容室・理髪店(顧客は必要不可欠な従事者に限る)
・ヘアケアのみ
・同時間帯に2人以上の予約を取ることは不可(顧客とスタッフは1対1)
・次の顧客が入店するまでに15分の間隔を開け、必要な清掃を行う
・入り口のドアは施錠する(予約客以外が入店することを防ぐため)
・可能な限り約1.8m(6フィート)の距離を取る
・顧客とスタッフは常にマスクなどを着用
・65歳以上や新型コロナ感染リスクの高い人は、利用しないことを強く推奨
・顧客は新型コロナ感染の恐れがある場合、予約をキャンセルする必要がある
・スタッフは顧客が変わるたびに石鹸とお湯で手洗いする
・雇用主はスタッフの体温を毎日管理する
・待合場所は常に清潔にする
・雑誌などの閲覧は禁止(新型コロナが指先に触れることを避けるため)
引用:現代ビジネス

ヘアケアのみの施術であったり、飛び込み客が来ないよう入り口のドアは施錠したり、お客様ごとに15分の間隔を開けて掃除をするなど、徹底した衛生管理が求められていますね。これを見ると日本の美容室の対策も十分なほど徹底されていますが、それ以上に厳しい基準を設けられていることがわかります。
 
 

1日も早い終息を。

 
アメリカ・ニューヨーク市ではまだ美容室の完全自粛が求められており、もし解除されても徹底した管理の元、営業を再開する必要があります。厳しい状況が続いていきますが、そんな中でも再開後に使える電子ギフトカード(前売り券)を販売したりとお店を維持に向けて努力している美容室もあります。

美容室ではお客様が安心して通っていただけるよう日々試行錯誤しながら様々な対策を行なっています。今は緊急事態宣言期間の反動で美容室が混んでいたり、元に戻ったようにも見えるかもしれませんが、長い目で見ると今後どうなるかはわかりません。来店周期が長くなったり、滞在時間の短縮のためにメニューを減らす傾向になるかもしれません。
ヘアログは美容室をさらに盛り上げていけるよう、より一層精進していきます。
 
すべての美容室・美容師が心置き無くサロンワークできるよう、新型コロナウイルスの1日も早い終息をお祈りしています。